島本町の公園について
近年の高層マンション建設ラッシュによって島本町は人口が急増しており、一人あたりの公園面積を大きく不足してしています。島本町の公園緑地面積は114671㎡で、人口は31072人(2022年11月1日現在)であるため、一人あたりの平均公園緑地面積は3.69㎡にすぎません。これは都市公園法や大阪府都市公園条例で整備しなければならないとされている、都市公園の標準面積1人あたり五㎡以上を大きく下回っています。大阪府の府民一人あたりの平均都市公園面積5.41㎡(2019年3月時点)と比べても著しく少ない状況です。
島本町は公園緑地面積が不足していたため1999年3月策定の「島本町緑の基本計画」で住民一人あたりの公園緑地面積を4.4㎡以上にするという目標を設定しましたが未達成で、近年は2000人近くの人口増加しており、公園緑地面積はますます不足しています。
JR島本駅西地区の開発に公園がさらに不足
JR島本駅西地区の土地区画整理事業において遵守する義務のある土地区画整理法施行規則9条6項に開発人口一人あたり三㎡以上の公園面積を確保することを求められていますが、現在阪急阪神不動産の364戸、1000人を超える高層マンション計画が予定されており大幅に公園面積が不足する見込みです。JR島本駅西地区の開発人口が高層マンション建設によって2000人に及び、西地区には約4500㎡の公園面積が計画されているにすぎないため、このまま開発が進めば一人あたり2.25㎡の公園面積しか確保されず、上記の土地区画整理法違反になり、島本町の公園面積も大きく不足するのは明らかです。
大きな公園を作って欲しいという住民の切実な声
2019年に行った小学生以下の子供がいる島本町の全世帯へのアンケートである「島本町 子ども・子育て支援事業に関する ニーズ調査報告書」の自由記述欄にも公園が少ない。
特にJR島本駅前に大きな公園を作って欲しいという切実な声がたくさん掲載されていました。以下抜粋します
「子供が走り回って遊べる場所(安心・安全な場所)を作ってほしいです。島本駅周辺から緑地公園までは遠い。危ない。 」
「マンション等の住宅が増える一方で公園は増えず、人口に対し町のキャパシティがオーバーしている様に感じる。」
「無計画にマンションを建てすぎではないか。そんな事は住民は望んでいません。これ以上マンションを増やさないで。それよりも保育所や学校、公園等を作って頂きたい。どうか住民の声に耳を傾けて下さい。」
「これ以上人口 が増えると町がパンクする。まずインフラを整えて貰わないと困る。島本駅前は大きな公園にするのが 良いと思う。 」
「島本町は自然が多いにもかかわらず、子どもが安心して伸び伸び遊べる屋外の場所がない。住宅建設ばかりでなく大きな公園を作って欲しい。」
「子供が遊ぶ公園が少ない。遊具も少なくほとんどが錆びている。マンションや住宅が増えている分、公園、保育所を増やしてほしい。 」
JR島本駅西地区に2ha以上の防災公園を
公園は自然環境の中で住民が散歩や休息、運動などを楽しみ、子供が遊ぶレクレーションの場であり、「良好な都市景観の形成 、都市環境の改善 、都市の防災性の向上、生物多様性の確保、 豊かな地域づくりに資する交流の空間など多様な機能を有する都市の根幹的な施設である。」(国土交通省の都市公園運用指針から)とされています。
しかし、必要な生活インフラでありながら開発地域に隣接する青葉地域には公園が極端に少ない状況です。1999年の「島本町緑の基本計画」では青葉地域などは都市公園が一人あたり0.32㎡しかなく公園不足地と記載されています。実際青葉地域の保護者からは「近頃のマンション建設ラッシュで、人口は増えていますが、公園が少なく、交通量が増えた昔の街道を、子どもたちは空いている公園を探して、自転車で移動したりしています。」という訴えがなされています。
さらにJR島本駅西地区の下流の青葉地区は2012年に浸水被害が起きており、西地区の田畑が埋め立てられて下流の浸水被害の危険性が増大する懸念からも、浸水抑制効果のある防災公園が必要とされています
またJ R島本駅西地区は南海トラフ地震において震度6強が発生する確率が30年で13.1%とされており震災時の避難路、避難地、防災拠点となる公園が必要とされています。2ha以上の公園には国の社会資本整備交付金が活用できることからも、事業者が高層マンション計画を見直すとともに、島本町の責任で一定の面積のある防災公園を整備することを求めています。
